トップチーム・クレセントとは公演記録トップへもどるお問合せ
⇒公演記録 トップへもどる 
 ミュージカル『お菓子放浪記』
木下恵介監督によってドラマ化され、
「エクレール・お菓子放浪記」で映画化された第一部から
続編・完結編までを含めた全三部作を一挙に上演します


~孤児のシゲルが、第二次大戦末期から
戦後の動乱期を逞しく生きていく物語~

明日の希望を語ることさえ困難だった時代に、
お菓子への憧れに支えられ絶望と闘いながら
ひたむきに生きていく孤児シゲル。
成長するシゲルにとってのお菓子…、
それは優しさの味であり、平和の味であり、
世に氾濫する「ニセモノ」を見分けるための
「ホンモノ」の象徴となっていく…。

 《 原作 》 西村 滋   《 脚色・演出 》木島 恭
 《 Cast 》

南條 瑞江
(劇団若獅子)

下坂 亮介

小林 清秀

大宜見 輝彦

 片山 美穂

円地 晶子
(無名塾) 

 王子 菜摘子
(イッツフォーリーズ)

 三好 幸次 

 鈴木 大介

 小倉 卓 

 鶴薗 彩

黒田 渉太 
《 Staff 》 《 Supporters 》
  原作:西村滋
脚本・作詞・演出:木島恭
作曲・演奏:高橋慶吉
振付:川西清彦
美術:松岡泉
照明:大島孝夫
音響・効果:余田崇徳
歌唱指導:山下美音子
舞台監督:杜江良/高橋康孝
宣伝美術:おかめ家ゆうこ
舞台写真:金子靖
映像収録:齋藤耕路(㈱ユニコーン)
大道具:杜江良
小道具:高津装飾美術(株)/杜江良
衣裳協力:東宝コスチューム 白井光子
       menuet by アトリエいのお
企画・製作:チーム・クレセント
制作:片山美穂
  (株)I・T企画
Pカンパニー
劇団希望舞台
劇団若獅子
(株)仕事
オールスタッフ
(株)TYプロモーション
ドラマティックミュージカルシアターマガジン
講談社
《 Schedule 》
東京公演
カメリアホール
2014年10月2日(木) 19:00
2014年10月3日(金) 14:00/18:30
前売:4,300円 当日:4,500円

  静岡公演
しずぎんホール ユーフォニア
2014年10月8日(水) 19:00
2014年10月9日(木) 14:00
前売:3,000円 当日:3,200円
≪後援≫ 静岡県 公益財団法人静岡県文化財団 静岡市 静岡市教育委員会 静岡新聞社・静岡放送 中日新聞東海本社 静岡第一テレビ 静岡朝日テレビ テレビ静岡 K-mix 76.9FM-Hi! FMHaro! 静岡県菓子工業組合 静岡県洋菓子協会

小牧公演
東部市民センター
2014年10月10日(金) 15:00
前売:3,000円 当日:3,200円
≪後援≫ 愛知県 愛知県教育委員会 小牧市 小牧市教育委員会 中日新聞社 東海ラジオ FMAICHI 愛知県菓子工業組合 一般社団法人愛知県洋菓子協会

  名古屋公演
東文化小劇場
2014年10月13日(月祝) 15:00
前売:3,000円 当日:3,200円
≪後援≫ 愛知県 愛知県教育委員会 名古屋市 名古屋市教育委員会 中日新聞社 東海ラジオ FMAICHI 愛知県菓子工業組合 一般社団法人愛知県洋菓子協会
《 Tickets 》
前売開始:2014年7月20日(日)
Confetti(カンフェティ)・・・観劇ポータルサイト
web予約:http://confetti-web.com/
電話予約:カンフェティチケットセンター 0120-240-540(平日10:00~18:00)
大声で怒鳴る、ということ   映画監督・山田洋次

 西村滋さんの人間を見る眼はじつに鋭く、かつ優しいから、『お菓子放浪記』に登場するさまざまな人間像は、まるで眼の前に浮かぶように魅力的で存在感に溢れている。美しい富永先生、渋い人情家の遠山刑事、格好いい千吉、口うるさいフサノばあさん、etc、etc。
 その中でぼくがひときわ興味を持つのは、報徳学院の日比野指導員、少年たちに「ホワイトサタン」のあだ名で忌み嫌われている嫌な男である。
 彼の特徴は、色黒でゲジゲジ眉毛といった悪者の姿ではなくて、その反対の美貌で優男と云うところにある。この色白の優男は声が大きくて、ふた言めには国家のため、天皇陛下の御為にと叫ぶ超国家主義者である。『お菓子と娘』の歌を教える富永先生に「敵性国の歌は止めてもらいます!」と怒鳴り、真珠湾攻撃の話をしながら涙をこぼし、反抗する生徒をサディスティックに殴りながら自分で興奮する、と云った精神のバランスを欠いた異常者だが、じつはこの手の男が軍国主義の時代には沢山いた、というよりこういった連中が大手をふるって歩いていたのが戦時下だった、ということをぼくはこの本を読みながら思い出す。
 このホワイトサタンのタイプの人間が近頃ぼくたちの国に再びうごめき始めているような気がする。真面目な人たちが穏やかな声で語るところへ大きな声で間違った乱暴な論理を怒鳴り立てるとみんな黙ってしまう、と云うような現象がさまざまな社会で見られないだろうか。たとえば、ヘイトスピーチをがなり立てる人たちの数はごく少数なのだけれど、静かに語るその何十倍何百倍の人々の声を圧倒してしまう、と云うような現象。ホワイトサタンの上司である主任の渡邊先生は、多分穏やかないい人なのだろうが「日比野君にも困ったもんだ、私が口を出しても非国民扱いだからねえ」とぼやくしかない。じつは僕自身を含めてこれが今日の善良な市民たちの姿なのではないか。
 西村滋さんは、名作『お菓子放浪記』を通してそんなことでいいのか、国家とか国益とか国力とか愛国と云う単語を大声で怒鳴る人をあまり信用してはいけないのだ、ということを今の暴力的圧政的な政治のあり方を予見しつつ訴えた、いや今も懸命に訴えているような気がしてならない。この作品の舞台化は、そこにこそ意義があるはずだ。
【DVD発売中】  2,000円


このサイトに掲載の記事・写真・イラスト等のすべてのコンテンツの無断複写・転載を禁じます。
Copylight(C)
Team crescent All right reserved. No reproduction or republication without written permission.